音楽

ライブ!早起き大阪城(後編~サウンドデモは、やっぱり大興奮) (前編~カベはまだまだ厚いが、ひとまず成功か?? からの続き)

…..で、カベはある程度崩れたんだろうか?

当然予想してたことだが労組動員の集会参加者は、ライブが終わるころになって続々と会場入り。だから、普段とは全然違う客層を相手に演奏したらどんな反応が返ってくるんやろう?という試みは、あんまり成立しなかった。それに俺自身だって、メイン集会を横目に機材の撤収やってサウンドデモの打ち合わせに参加して、デモ解散地点の京橋まで車ころがしてJR環状線で野音に戻ってきたら、もう集会は終わりかけてた。だから、沖縄辺野古やら韓国のナマの現地報告を聴けなかった。残念だった。

あと、これはもう笑って済ませるしかないんだが、何人かの友達から「もうライブ終わったンすか?」と声かけられ、「昼前にやったよぉ~!」「マジっすか~。昼ごろ起きて、今来たとこっスよ…」「あ、あのなぁ~… 朝の10時半てあれだけ言うてたやろー!(苦笑)」というやり取りを何度か交わした。まぁ、コレはやむを得んだろうな。昼前のライブなんてやっぱり無理があるもんな。(でも、フライヤー見たらしっかり書いてあるぞ。読めよ、ちゃんと…)

さて、集会も終わりデモに出発。なんでも1600人の参加者があったらしく、最後尾につくサウンドデモと俺ら有象無象周辺ピープルは、道路に出るまでかなりヒマがあった。で、その間、いろんな隊列の人々のいろんなセンスのシュプレヒコールやら“歌”が聴けてなかなか楽しいんだが、ひとつだけ、どうしても耐えられないのがあった。
童謡の「桃太郎さん」にコイズミ首相を引っ掛けた替え歌を「ヘイ!」とか言いながら繰り返してるおねえさんたち。その「私たち、市民の感覚でやってますぅ~」的うさん臭さが、どうしても気持ち悪かった。誰がどんなセンスでアピールしようと勝手なんだが、「あの人らとは、一緒に見られたくねえっ!!」と、痛切に思ったのだった。あれなら、全員でイマジンを唱和するほうがまだマシや…

普段はあまりシュプレヒコールにも参加しない俺だが、その気持ち悪い替え歌を聴きたくないがためもあり、今回はけっこう叫んだなあ。だいたい、シュプレヒコールというもんは緊迫した状況にNO!を突き付けるアピールを、皆が言えるような簡潔な言葉にせねばならんわけで、古臭いだのセンスがどーのこーのと横から言うのはどうかと俺は常々思ってた。「これ以上イラクの人を殺すな!」とか「自衛隊は撤退しろ!」とか「これ以上沖縄に基地を作るな!」というのは、これ以上ひねったり脚色しようもない、ギリギリの叫びだと思うから。

だが、俺の回りで勝手に叫んでる人らのは感覚的におもしろかった。「自衛隊は逃げろ! 殺す前に逃げろ!」とか「派兵延長なんかより、被災地に税金使え!」とか「大阪府警は路上から消えろ!」とか。実際、サウンドデモが出発しようとしたら、「トラックは最後尾につけ」とDJトラックに公安がびたーっとへばりついたのには驚いた。参加者はDJトラックの後ろを踊りながら歩くのが普通だから、これは明らかに妨害であり言いがかりだ。公安警察の中には何人かの“汚れ役”みたいなのがいるらしく、やくざ顔負けの下品さで参加者に食ってかかったり突き飛ばしたりしている。デモの本隊は、もう遠く見えなくなり、サウンドデモだけが分断された状態で、不毛な小競り合いがしばらく続いた。

なんだかわからんまま、ようやくデモ出発。俺はDJ・クラブ系の音楽は得意じゃない。むしろ苦手かもしれない。去年の夏にベオグラード(セルビア)で友達がその手のパーティに連れて行ってくれたが、何が楽しいのが全然わからなかった。うるさいだけだと思った。だいたい、自分で演奏するんじゃなくて人の作った音源を回すDJという行為がなんでそんなにすごいのか(楽しいのはもちろんわかる)よくわからんのだ。生演奏至上主義者と呼んでくれ。
が、この日トラックの上でぎらついた目で動いてるDJは、なんかわからんが無性にカッコよかった。選曲も俺好みだったかもしれない。あ~、このトンガリ感を自分のライブでも出したいっ!と真剣に思った。

サウンドデモの面白いのは、道行く人がほんとうに参加して来て、だんだん膨れ上がってくるところだ。携帯で写したりしながら歩道を歩いてたカップルが、気がついたら中に入って一緒に踊ってたり、交差点からVサインを送っていた白人のバックパッカーが気がつけば一緒になって歩いていたり。
ビジネスパークを抜けて京橋の街に向かう橋を渡るとき、重いレゲエの響きと川面に映る夕陽に、俺も気分の高揚を隠せなかった。デモの終盤になると、前に偽ジプシーで対バンしたDJユニット・デジタリカ(デジタルな烏賊)がトラックに登場。京橋のベタな路上が、完全なる異空間と化した。こりゃー楽しいわ!

デモが解散して、クルマ停めた所に向かってアーケード街を歩きながら、京都に帰る数人やら野宿者支援の運動をしてるMさんらと、ライブと集会がまったく別もんってのもちょっと寂しかったよなぁ、などと話した。でも今回の場合は、大きな反戦集会に「若いもんが乗っかった」という、初めから前座という形だから、その割にはやれることをやれたんじゃないか、とも思う。
俺のやりたかった異文化交流なんて、まだまだ始まったばかりだ。外に向かうエネルギーがなかなか見えにくい、ライブハウス主体でのバンド活動に限界と苛立ちを日々感じてるせいもあるが、いろんな刺激的で素敵な連中と出会える事が何よりもうれしい。

帰り道の阪神高速で堺の手前まで南下するという、ちょっとどんくさい迷い方をしてしまい、西成区や大正区といった大阪のディープな地帯を2時間もさまよった。ヘロヘロになってやっとの思いで名神に乗り、今朝のサービスエリアでトイレ&コーヒー休憩した。二人の吉田くんやK君と、13時間前に3台でここ出発したんだよなぁ、くたびれたけどなんかステキな一日だったなあ、と語り合ったことであるよ。

ライブ!早起き大阪城(前編~カベはまだまだ厚いが、ひとまず成功か??)

朝5:30 起床。5:50 ビデオ撮影同行取材のため前の晩から泊り込んでる堺のT君、吉田一平を乗せて俺んち出発。6:30 京都大学吉田寮の“サークルボックス焼け跡”に着くと、どろんの3人にジェロニモレーベルの新人Yも、次々と自転車で到着。偽ジプシーのデビさんも合流し、ドラムセットともどもワンボックス2台に分乗。途中で偽ジプシーのサトコーニャ嬢を拾って7:30 名神・桂サービスエリアに着くと、雪之介はじめマドモワゼルフルール御一行が、無理やりテンション上げて(笑)待ち構えていた。
果たして俺ら出演者自身がちゃんと起きて集まれるのか?!これが最大の不安だったのだが、ひとりの落伍者もなくまったく予定どおり5バンドが集結。早起き大阪城・京都キャラバン隊成立! さわやかすぎる秋晴れの朝、デビッチ号を先頭に一路大阪城へ。

9:00 前に大阪城野音に着くと、本集会(今日のライブは、沖縄や韓国の基地反対運動やイラク反戦の大きな集会の、いわば前座イヴェント)の主催者や、サウンドデモ関係者も続々と集まり、自己紹介やら打ち合わせしながら、バタバタと熱気に満ちた空気に。段取りの悪さ(というか行き違い)で、野音の職員と雪之介氏が一触即発になるという(なぜか笑える)ハプニングもあったが、いったん仕込みが始まると、俺ら軍隊かよ?というぐらいのテキパキした動きとチームワークでたったの一時間で野外ステージの設営完了! たぶん、慣れぬ早起きでみんな普段とは違うテンションだったんだろう。普段ではあり得ない、無駄のない動きやったもん(笑)。

さすがにサウンドチェックをする余裕はなかったものの、予定どおりの10:30 に一番手の“どろん”から演奏開始。この時点で、準備中の集会関係者だけじゃなく、ライブ目当ての人たちもチラホラとではあるがやってきて暖かい雰囲気に。偽ジプシー、吉田一平、マドモワゼルフルール、ジェロニモレーベルと反戦ミュージック周辺5組が短いステージでたたみかけ、最後に賑やかなエイサーが出て本集会にバトンタッチした。完全にぶっつけ本番だったとは思えない、内容の濃いライブだったと思う。PAのまーちゃんこと、山下正雄さんにも感謝。

ジェロニモレーベルのステージでも言ったんだけど、今回のイヴェントはいろんな意味での異文化交流というか、カベを取っ払うきっかけになったらいいと俺は思っていた。音楽やってる連中と真剣な反戦運動との間にある、なんか気持ち悪いカベ。音楽やってる連中のなかでも、クラブ・DJ系と俺みたいなバンド系(…系という分類は好かんけど敢えて便宜的に使う)の間にやはりある、カベ。現実にものすごい暴力に囲まれ日々殺されゆくイラクやパレスチナの人々と、戦争大好き大ボケ政府を現実として許してしまってて、どうしたらええのか途方に暮れてる俺らとの間にある、絶望的に高く巨大なカベ。反戦と言ったら引いてしまう友人たちとの間にある、日々感じる微妙なカベ…..。

前(10/26「音楽好きと反戦運動、あるいはバンド系とクラブDJ系の異文化交流」)にも書いたけど今回のライブは、反戦集会の前座で賑やかにやって欲しいという話が来た時に、「付け足しで音楽使われるのは、もうやめようや。どうせなら俺らの表現でガツンと登場しよう」と、大阪のサウンドデモ周辺と京都の反戦ミュージック周辺の利害が一致したところから始まった。わずか一ヶ月半という慌しい準備期間。チラシのセンスひとつとってもいろんな小さな衝突があったりして、人と人の間の調整など苦手な俺にはちょっと荷が重い時もあったが、何よりやはり、いろんな人と知り合えたのは刺激的だった。

で、カベはある程度崩れたんだろうか?

(後編~サウンドデモは、やっぱり大興奮 に続く)

不安やけど、高揚してます

いやぁ~、忙しいわ。忙しいというか、なんとも焦点の定まらぬ日々が続いている。ハラハラしたり浮き浮きしたり、なんか落ち着かんのですけど、希望が見えてるからそれも楽しんでます。
どっちのバンドも今は、メンバーとの間に心地いい緊張感が張りつめてて、毎回のライブが一期一会みたいな感覚がすごくある。あんまり先の見通しは考えられないんだが、このまま続けていきゃあ道が開けるわいと、ようやく楽観できるようになった。
11/23の反戦集会の前座イヴェント「早起き大阪城~くされ戦争世界に告ぐ」も、来週に迫ってきた。おかげでこの一ヶ月ほどの間に、ものすごたくさんの知り合いができた。当然いろんなすれ違いやら小さな誤解やぶつかり合いがあったりして、その時は凹んだりもするが、やっぱり楽しいですなぁ。人がつながっていくっちゅうのは刺激的や。
今週17日のジェロニモレーベルのライブも、絶対楽しくなりそうだ。あの、エロ狂言の相川京が、本業の歌手として10年ぶりに京都で歌うよ。友達のロックンロールバンド「おやつ」と俺のエレカシ・セッションもあるし。(いやぁ、特に初期のエレファントカシマシって、ほんまにええ歌うたっとるなあ….)
京都の陰陽(ネガポジ)に来れる人は来てくれ!居酒屋風ライブハウスやで。