ツアー満喫した

両バンドの東京ツアーから帰り、心地よい脱力感です。
 
 まず11/2はジェロニモレーベルで、毎度お世話になっている新宿ウルガ。この日の対バンは「ラモーンズ大好き」な感じのかなり若いR&Rバンドやミッシェルガンエレファント好きそう+ビジュアル系がかったバンドとかで、それぞれ(微笑ましくも)素直に楽しめるステージだった。「また俺ら浮く(沈む?)かな」と危惧したが、お客さんからも熱いリアクションが返って来て非常に嬉しかった。
 この日は、5年前の旅で北京で一緒に遊んだ友達と再会したり、最近ひょんな事で知り合った中国語関係の仕事してる人が観に来てくれたりと、実は何かと中国づいていた。打ち上げも歌舞伎町の台湾料理屋(安くて激うま!)やったし。今月末の中国語検定試験に向けて、密かにモチベーションを上げたのであった。

 1日置いて11/4は、高円寺のU.F.O CLUBに初出演。今年の3月から4回に渡って東京にライブに出てきたが、その間にいろんな出会いがあり、それが一気に実を結んだような恐ろしく濃厚なイヴェントだった。企画してくれたのは「コドモ厳禁!オトナのプログレファンク」なキョウコさん率いる密輸入。RCサクセションがもっとバカにとんがったようなブルガキース・チャンペスキーや、蜜輸入のvocalキョウコさんのストリッパー時代の師匠・ぱとりしあ尚子さんのダンスetc. 全出演者まったくハズレなし! これだけ見事に最初から最後まで、ステージで起こっている事に集中せざるを得ないイヴェントというのも、珍しいのではないかと思う。
 ジェロニモレーベルも大いに受けた。ドラマーぼん吉もガンガンにコーラスしまくり、客を煽るわ煽るわ! 最近のライブはたいがい楽しいが、騒いで踊りまくるお客から来るエネルギーが半端じゃなかった。持ってきたCDも何枚か売れて、ツアーのささやかな醍醐味を感じた。

 ところで今回、共演を心から楽しみにしていたのはゲルチュチュというバンド。5月に俺ソロで東京に来た時にインテリパンク君からCDを聴かせてもらい、世の中への遠慮なきアンチに満ちた歌詞と、流行など微塵も念頭にない確信に満ちた重厚な音に、一発でやられた。うわ、こんな所に知られざる仲間がおったのかー!と感激のあまり爆笑しつつ「こいつらと一緒にやりたい!」とその場で口にしたのが、こうしていよいよ実現したワケです。
 怒るべき怒りをまっとうに放出する、呪詛に満ちたヴォーカルのハッチ氏。彼の圧倒的な存在感に寄りかかる事なく、実はおそろしく緻密な演奏を繰り広げる3人。ほんとうにすごいバンドと出会ってしまった!
 出演バンドどうしで打ち上げに行くことなど俺は滅多にないのだが、この日は打ち上げまでが楽しかった。ゲルチュチュもキョウコさんもブルガキース・チャンペスキーも、関西で演奏したいと言ってる。何とか応えたいものだが、俺ら、地元関西でもまだ地を這う感じやからな…。長期戦で、しかし前向きに考えるとしよう。関西も関東も入り乱れて、ザワザワさせたいからな。

 そして。ぼん吉は大阪へ戻り、アコーディオン抱えたデビッチが新宿にやってきた。

 翌11/5は新宿Naked Loftで偽ジプシー。8月以来2度目となるネイキッドロフトは実は、ジェロニモレーベルで毎回演奏しているウルガとは、職安通りを隔てて目と鼻の先にある。今年になって季節に一度のペースで来るようになったせいだろうか、ハングルと中国語にあふれたこの界隈に懐かしささえ感じる。
 偽ジプシーは、デビッチと俺の二人組を軸にする方向で音を確立してる最中なので、今回は、特に目新しい試みはしなかった。関東への偽チョチェック布教も徐々に浸透しているとは言え、まだまだ一部の熱い友人の助けでライブが成り立っているのが現実だ(それはジェロニモレーベルも同じ)。いつも新しく友達を誘って来てくれたり、宿を提供してくれる友達に、心から感謝している。
 音楽メディアに限らず、最近おれは、マスコミや音楽業界というモノへの不信感やあきらめがどうしても先走ってしまうのだが、割りは悪くても確実なライブ活動を重ねつつ、やっぱりメディアに打って出る事を改めて考えなあかんのちゃうか~とも考えている。今回の小ツアーが終わって、そういう事を考える余裕も、ちょっとは出てきた。……かも知れぬ。

選挙ワケわからんが

 わけのわからん衆議院選挙が迫ってきた。よりによって、ず~っと前から仲間と準備してきた反戦ミュージック(9/10-11)の二日目当日に。郵政民営化については、自分の確固たる意見を持つほどの判断材料はない。が、この国をイラク戦争に引きずり込んだという、その一点だけで俺は小泉政権を許す事はできんし、これ以上、あのオッサンのペースに引っぱり回されるのは我慢できん。
 ということで今回の選挙は、生まれて初めての不在者投票を済ませてから、反戦ミュージックをめいっぱい楽しむことにする。
 選挙や政治では何も変わらん、現状批判的な話をすると友達が引く…etc. その手の呪縛には、実は俺自身も深~いところで囚われているが、もうそういうのウンザリだ。勝ち組ピープルやら戦争したがってる連中の声ばっかりがでかくなっている今。現に殺されている人々への徹底した無関心が奨励され、手を差し伸べたり異議を唱える者に対しては冷笑とあざけりが大手を振るう今。あらゆる現象が、信じがたい速度で世知辛くなりつつある今….。この今、今、今、今!!!
 おれは自分がこの目で見てきた世界と価値観を賭けて、堂々としていようと思う。ま、自分の場合は、チョチェックとラケンロ~ルしながらやけどなっ!!

 さてさて、楽しい新宿2デイズが終わった。8/23にはNaked Loft で偽ジプシーがデビューしてきた。キャンドル・アーティストのおねえさんが、巨大ろうそく(大きいのは丸太ほど太い!)を店内にレイアウトし、照明を全て消した中でのライブ。ベリーダンサーのHayatiさんも即興で踊ってくれて、後ろでギター弾きながら一瞬、これは夢か?と思ったほどです。

 翌24日にはジェロニモレーベルで、目と鼻の先にあるウルガに出演。ここは東京に来るたびお世話になっているが、3度目の今回はこれまで最高のブッキングだった。特に印象に残ったのが超常農民とMokixx。そして3月以来の再会となる函館くん。スタイルでやってるバンドじゃなく、自分の必然で出てくる歌や表現をやってて、しかも面白い奴らと出会えると、バンドやっててホンマ良かったと思う。

 ただ、惜しいのは、そんないいバンド達がCDRを無料配布していること。いいバンドは、自分の作品でしっかりと金を取るべきだと思う。確かに、若いお客さんだと実際に金もないだろうから、無料配布したいバンド側の気持ちもよくわかる。しかし、好きなバンドをサポートするためならビール一杯や2杯分ぐらい我慢して金は出すべきだし、それを客に求めるぐらいの関係性がないと、表現活動は続けられないと思う。
 バンド続けるなら、あまりお人好しではアカンと、最近いろんな場所で深~い自戒を込めて思う。やる方も観るほうも、身を削ることに慣れすぎてはいかん。実際問題として、それでは表現活動なんて続けられんから。

 しかし…。自分のライブのレポを自分で書き続けるのも、ええかげん空しいなあ。体験と目撃と、できればフィードバックを、常時、ひたすら求ム!!

 次は28(日)に偽ジプシー@弁天町の吟遊詩人、9/3(土)に偽ジプシー@雲州堂。
そして上記の反戦ミュージック2デイズ@京大西部講堂は、くどいようだが、皆さん不在者投票(あるいは期日前投票)済ませて泊りがけで京都へ!もちろんGLも偽ジプシーも出るほか、関西地下音楽シーンの濃縮ジュースみたいなフリーライブです。

明日から新宿2連チャン

 8月12日には京都磔磔(たくたく)で偽ジプシーで、友川カズキさんの前座をやってきた。友川かずきと言えば、東北弁で歌い倒す強烈な歌手。10年以上前に「イチテルっち言っちみろ」(生きてるって言ってみろ)を職場の人から聴かされたのが初体験だったが、その時の衝撃が見事によみがえったです。今回はピアノとドラムの3人バンド。ドラムはなんと、頭脳警察のトシさん。
 リハの時から妙に意気投合したのだが、俺らの演奏終わった後も「我ら極東の偽モノが…て言えるのが、君らすごい」「偽ジプシーを頭から消さんと始められないや~」と、えらく喜んでおられたです。友川氏にしろトシさんにしろ、愛すべきヤクザぶりがかっこよく、かつ楽しかった。「俺たちなんてみんな“国民のいない独り国家”“信者のいない独り振興宗教”だー!」って…。偽ジプシーと友川氏を会わせてくれたnicheの皆さんに感謝ー!
 8月15日には反戦ミュージックの宣伝兼ねて友達に会いに行くべ、とデモが解散する円山公園にふらりと行った。そしたら石垣カフェの人が声かけてきてくれて、その晩のパーティーで歌うことに。百万遍交差点の急造ステージで、久々に“無国籍歌謡&ロックショウ”と題して独唱してきた。独り偽ジプシー、独りジェロニモレーベルから、マヌーチャオ、北京パンクなどなど。
 
 明日からは東京だ。23日(火)は新宿Naked Loftで偽ジプシー、そして翌24(水)は同じく新宿のウルガでジェロニモレーベル。関東方面の方、お見逃しなく!