堺と千日前

 先週は17日の堺FUZZに始まり、直後に夏風邪をこじらせて仕事も休んで家で中途半端な日々を過ごし、22日クラブウォーターのライブが終わり、今に至る。と思ってたら、ベースボール(from Australia)とのライブが目前に迫っておる。R&Rざんまい!! …が、宣伝は全然できてない。うっひゃ~

 堺で、バンド形態のジェロニモレーベルでやるのは初めてだが、反応がビシビシに返って来て、ものすご楽しい。煽ったら煽られるから、こっちも自分以上のモノが出せる。心ワシづかみにされた~と、いろんな人(多数のギャル含む)に言われた。
 それにしても、大阪から大和川一本渡っただけで、こうも空気が変わるものか。京都や大阪とは別世界。スペイン行って、バルセロナのバーでライブやった時の感じに近い。友人I氏も言っていたが、何と言うか、スノッブな所がまったくない!やっぱりギャーギャー笑って拍手されたらこっちも燃えるよ。
 堺最高や~と言ってたら、ほなら住み!と言われたが、やっぱりたまに来るからいいんだろーな。

 22日には千日前クラブウォーターで、バンドになりきれないバンドばっかりのイヴェント。5月に奈良ネバーランドで衝撃(笑撃でもあった)の出会いをしたギャルバン・ハチワレ天満宮をはじめ、この日の4バンドは俺ら含めて、奇しくも二人組ばっかし。
 俺らの場合は、10年以上ベースを含むトリオ編成でやってきて、去年からドラムと二人だけでとりあえず始めてみた。最初のうちはやむを得ずだったが、今は二人編成の身軽さ(音的な自由度と、実際の動きやすさ)が楽しくてたまらん。この日の出演陣もなかなか充実してたし、俺らも新たな人の心をワシづかみにして楽しかったが、ギャラが出るところまでは(お客さんの動員が)届かず……。
 ふたつのバンド合わせて月に5~6本とかライブ入れてると、外から見たら景気よくガンガン動いてるように見えるんだろうなぁ。実際のところ、やればやるほど生活はプアーで余裕ゼロ。しかし最近はGLも、ライブごとの手応えが格段に熱くなってるしいろんな所から面白い企画の話も来るようになった。
 相変わらず、なかなか金にはならん(っちゅうか、音楽活動やってて黒字になるという事態を想像する事が、大変むずかしい…)。とは言え、ライブが終わった後の徒労感や虚脱感は、最近はほとんどない。ようやく、届くべきところにちょっとずつ届き始めたというか…。何かが開けてきそうな気配は、確実に感じる。7月の2回は流れ者ドラマー“ぼん吉”に叩いてもらってるが、これからもちょくちょく一緒にやれそうなので、それも心強い限り!

 27日のカフェ・アンデパンダン(vsベースボール)では、ひさびさに、頼りになる男・ツダビンスキー津田徹人が叩きます。今回、風邪で家にこもってて、街にフライヤー持ってく余裕なかったため、宣伝面で大いに不安あり。今からせっせとメール送るとしよう。

偽ジプシーと偽ヒッピー

先日、京大西部講堂で行われた太陽と月の祭りに偽ジプシーで出てきた。5日に渡る祭りの最終日に初めて現地入りしたのだが、ごっつい竹で組み立てたティーピー(インディアン風のテント)やら樹上小屋の立ち並ぶ様は壮観で、まず会場に入ったとたん圧倒された。全国から旅してきた人々が住み着いて、西部講堂前広場が巨大な現代版ヒッピーコミューンと化していた。

俺らの前に歌った人たちは、大地がどうの命がどうの…とラブリーに歌いつつ、それにマリ○ァナ落ちがつくという、絵に描いたようなアレで…。こういうのってどんな顔して聴いてたらいいのか、ほんまに困るんやなー。バカたれ戦争の時代に、そのような陳腐メッセージなど屁にもならんわぃと無性にイライラするんだな。演奏する方にも、受け取る方にも、何かを変えようとかいう気迫がまったく見えず。惰性の垂れ流し!

その、ノペ~っとした空気をバリバリっと変えるのが俺らの仕事であろうと勝手に決め、アグレッシブに攻めようじゃあないかとアコーディオン奏者デビッチと確認(まぁ、それはいつもの事である)。さらに、8月のイヴェント(友川カズキの前座@京都磔磔)のビラを配りに来てくださったnicheのスタッフにも、いっぱつ、空気変えますわと宣言。
「月はない、太陽もない」で始まるメセチナを歌い出したら、テントや屋台にこもっていた人たちが「なんじゃこいつら?」ていう感じでワサワサっと出て来るのが見えた。あちこちで踊り出す人もちらほら。「偽ヒッピーの皆さんこんにちわー。俺ら偽ジプシーでーす」などと失礼かましつつ、強引に異文化交流してきた。
途中、前に出て行ったデビさんを10人ぐらいが囲んで輪になって踊り出した。一瞬、ほんもののバルカンの祭りみたいだった。終わった後は、いろんな人がおもろかったわ~と声かけてくれ、超絶ジプシーバイオリンを弾く徳島在住イギリス人のおねえさんとジャムって遊んだり…。幸せな半日を過ごさせてもらいました。

いわゆるヒッピー乗りは苦手だが、祭り空間の作り方とか行動力とか人的ネットワークは本当にすごいと思う。ただ、突出した歌をもっともっと聴きたい……。たった一日、しかも最終日に参加させてもらっただけでこんな事言うのは、やはり失礼だろうか? 失礼ですかね? 失礼を百も承知の上であえて言ってみる。感謝を込めた挑発です。
ヒッピー文化を軽々と越えてくれ~ぃ、現代の偽ヒッピー! /偽ジプシーより偽LOVEを込めて

代々木公園で大騒ぎ

話はずいぶん前後するが、5月末の東京ツアー(俺ソロ)の事に触れないわけにはいくまい。今回はドラマーの都合がつかず、5/25新宿ウルガと5/26国立地球屋でエレキ独りロックをやってきた。ドラムがないと寂しいという人もいれば、独りの時の何が飛び出すかわからん感じがいい、という人もいた。どちらも、もっともな感想であります。俺も両方思うもん。オーイェ。もっと色っぽく歌って欲しいとも言われました。あ~…、い、いぇい!
3月に続いて同じハコでやらせてもらい、店との関係とか、ある程度の手応えは感じたものの、やはりブッキング・ライブ(対バンを店まかせ)の限界は強烈に感じた。それは当然のことだ。ある程度状況のわかる地元関西でさえ、自分が納得できるライブ(共演相手とかの点で)ができるようになるまで、何年もかかってるから。
意気投合できるバンドとのめぐり会いには非常に飢えてるが、東京にはおもろい友達がかなりできた。希望は見えているのだー。

ところで、今回の東京行きには番外編があった。そして、何を隠そう、実はこれが一番楽しみだったのだ。マヌーチャオを愛する人たちが、5/28の昼間から代々木公園で酒飲みながら騒ぐという企画。「マヌーチャオのファンと彼をリスペクトする奴らによる、無国籍な感じの飲み会」というタイトルからもわかるとおり、フラメンコ+ヒップホップからバルカン音楽まで何でもありの無節操パーティー。
俺はこの日のために、敬愛するマヌーチャオの「知ってるけどちゃんと歌えない」曲をちゃんと演奏できるレベルまで仕込み(この作業はホントに楽しく、これを企画してくれた友達には大感謝です)、ちゃっかり、偽ジプシーの偽チョチェックも披露してきた。
ベリーダンスを踊りまくる妖艶な男女、なぜかサッカーボール持参の兄さんがいて時ならぬスポーツに汗流したり、突如として樹に登り出すフランス人がいたり、ワケわからん集まりと化していた。ワケわからなすぎて、広大な代々木公園を3時間もさまよい続けて合流できなかった人までいた…。

次なる機会が待ち遠しいや…。関西でも、誰か企画しないかね?